「比べる」を手放して音楽を楽しむこと


先日、私自身も試演会(本番を想定しての勉強会のような会)に出演してきました。
周りの参加する方々は恩師のつながりのため、大学を首席で卒業し、経歴や肩書きは文句なしの見渡せば「すごい先生方」ばかり(泣)
まあピリピリした空気に圧倒されて、緊張でどうにかなりそうでしたね…(笑)。
さてさて頭では「人と比べる必要なんてない」と分かっていても、いざその場に立つと、どうしても周りの凄さや上手さが気になってしまいがちですよね。
生徒の皆さんも、学校や親御さんも発表会で同じような気持ちを味わうことがあるかもしれません。
「あの子はあんなに上手に弾けるのに」「自分は全然ダメだ……」と、つい周りと比べて落ち込んでしまうこともあるでしょう。
「うちの子、大丈夫かな」
「なんて声をかけてあげたらいいんだろう」と、どんな言葉をかけてよいか分からず、もどかしく感じている親御さんもたくさんいらっしゃいます。
そんなときは、上手く励まさなくて大丈夫です。
「今日、あの部分の音がすごく綺麗だったね」
「最後までよく頑張ったね」と、
結果ではなく、その日のお子さんの頑張りや小さな変化をそのまま言葉にして受け止めてあげるだけで、子どもたちは十分安心します。
また、これは子どもたちだけでなく、大人になってからピアノを始めたり、再開した方にとっても同じだと思います。
「周りの目が気になる」
「こんな下手で恥ずかしいかもしれない」
と、大人のほうがかえって周りを気にして、一歩を踏み出すのを躊躇してしまうことが多いかもしれません。
だけど、大人になってから弾くピアノには、子ども時代とはまた違う、圧倒的な強みと魅力があります。
これまでの人生経験や、日々の喜び、哀しみの引き出しがあるからこそ、大人が奏でる音にはその人にしか出せない深い味わいや、心に染みるストーリーが宿ります。
技術の巧拙や他人の評価なんて関係なく、
「今の自分が感じていること」をそのまま音に乗せられるのは、大人ならではの素晴らしい特権です。
いくつになってから始めたって、どんなレベルだったって、胸を張っていいのです。
ピアノは、誰かと競うものではなく、いつだって自分の心に寄り添い、人生を豊かにしてくれる最高のパートナーです。
今回の自分の経験を通して、改めて強く感じたことがあります。
それは、ピアノは周りと比べてしまったり、間違えることを恐れてしまうと、どうしても楽しさよりも辛い気持ちになってしまうということです。
だからこそ、一番大切なのは「自分が心から楽しんで弾くこと」。
上手に弾くことや、誰かより優れることよりも、
「昨日の自分より、今日少しでも音楽を楽しめたか」
「自分の音と心を通わせられたか」
それが何より大切なんだと、改めて実感しました。
ピアノに限らず誰かと比べるのではなく、自分自身の「好き」や「楽しい」という気持ちを大切にしながら、これからもピアノと向き合っていってほしいと感じています。
そして、それぞれの小さな「楽しい」を一番近くで見守りながら、一緒に楽しくレッスンを続けていきたいなと思っています。
「環境のせいにしないこと」
「言い訳を探さないこと」
「与えられた場所で、目の前のことに誠心誠意向き合うこと」
「肩書きや見栄えではなく、中身を磨くこと」

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